USPとは何か?作り方を知ろう!

USPとは何?どんな役割があるの?
「アナタの(お店や会社)強みは何ですか?」と、聞かれることが最近は多くなってきていませんか?
その答えとなるのが「USP」。Unique-Selling-propositon(ユニーク・セリング・プロポジション)の頭文字を取ったものです。
日本語に直訳すると「独自」の「(強力な)売り」の「提案・主張」となります。
何故今、USPが必要とされているのでしょうか?それは数ある商品やサービスの中でアナタのそれを選んでもらうためのメッセージとなるからです。
USPの役割は、「この商品やサービスは他所とはココが違うのです!」という、差別化・独自化の訴求によって、アナタがお客様に提供する内容をお客様の心の中に「釘付け」にすることです。
そんなUSPは決して有名企業や有名店だけのものではありません。しっかりと考えて、仕組みと作り方を知ればアナタにもUSPは作れます。ここではUSPの作り方を中心に、そのための条件や使用例をご紹介しましょう。
USPの4つの条件
USPがUSPであるためには、いくつかの条件をクリアする必要があります。
例えば「ワタシの売りは毎日笑顔で朝を迎えることです」とか「ワタシの商品は世界に一つだけの独自なものです!」は、USPにはなりません。
なぜなら「USPの条件」をクリアしていないから。
USPを作る前に、まずUSPになるための条件を知りましょう。以下がその4つです。
・USPの4つの条件 その① 【ターゲットに向けてのものでなければならない】
独自のウリは、アナタをアピールするものや、アナタの特徴を表わすものであっても、それがターゲット(消費者)に向いたメッセージでなければなりません。
つまりアナタが勝手に一人で満足している(毎日の笑顔)だけではUSPとはならないのです。
・USPの4つの条件 その② 【独自なものか他が示していないものでなければならない】
有名なUSPにライザップの「結果にコミットする」というものがあります。
これは誰もが不満に思っていた「高いお金を払ってもダイエットが成功するかどうか?は、結局自分次第。お金を払ったところに文句は言えないよね」という部分に向けて「(ライザップは)結果に責任を持ちます」と、他が示さなかったところを強く訴求したもので、差別化に役立ち、非常に同社の売上拡大に貢献しました。
・USPの4つの条件 その③ 【強力でインパクトがあるものでなければならない】
USPの役割は消費者の心の中に強くインプットされて、他の商品ではなく自分(アナタ)の商品を選んでもらうことです。
ですから、直ぐに覚えてもらえるように、そしていつでも直ぐに思い出してもらえるように、シンプルさとインパクトが必要です。
例えば「お値段以上、ニトリ」というUSPは、出来るだけ安価で、しっかりした家具が欲しい人に、ストレートに響くシンプルさを持っています。
・USPの4つの条件 その④ 【ターゲットにベネフィットを与えなければならない】
「セブン・イレブン・いい気分」はUSPでしょうか?
いいえ。これはUSPではありません。
何故ならターゲットのベネフィット(得になること・困り事を解決すること)が示されていないからです。
でもこれが「開いててよかった!セブン・イレブン・いい気分」となればどうでしょうか?
これはUSPです。
もちろん今は他のコンビニでも「いつも開いている」ので、この部分がユニークとは言い切れませんが、当時の人が困っていた「必要なものを買いたくても、お店はもう閉まっている」という事を解決する非常にインパクトの強いメッセージだったのです。
USPの作り方 4つのステップ
USPは、先に述べた有名企業や有名商品だけのものではありません。
情報を整理して、作り方を身につけ、少し真剣になれば、アナタもUSPを手にすることができます。
・USPの作り方 その① 【ターゲットを決める】
USPの条件の1番目にあるように、このUSPは、誰に向けてのものか?をまず考えます。
誰の、どんな困りごとを解決するのか?
誰が、どんな場面で得になるのか?
対象者が笑顔になる理由はなぜなのか?
アナタの商品は、どういう場面で日ターゲットの役にたつのでしょう?
一つ一つの場面をじっくり想像してみましょう。
・USPの作り方 その② 【ベネフィットは絞る】
「この商品はいろいろな場面で、いろいろな特徴で、いろいろな困りごとを解決します!」なんていう商品を買う人がどれだけいるでしょう?
商品の特徴は絞られていればいるほどインパクトが強まります。
「あれも伝えたい、これも伝えたい」という気持ちはわかりますが、伝えたいことが増えれば増えるほど、情報を受け取る人(ターゲット)は、覚えることが多くなってきて、思い出すのが難しくなってくるということをしっかりと覚えておいてください。
・USPの作り方 その③ 【独自性を出す(他との違いはなに?】
ステップ②で考えた「ベネフィット」は、他と何が違うのでしょう?今までの商品とどこが違うのでしょう?下記のような代表的なチェックポイントを使って、時間をかけてチェックしていきましょう。
●価格はどうか?
●速さはどうか?
●品質はどうか?
●サービス内容は?
●場所(地域)はどう?
●アフターサービスでは?
●業界の常識と比べてみてどうか?
また人(ターゲット)は、どういう喜びが欲しいのか?でチェックしてみるのも方法の一つです。例えば
●健康でありたい
●安心したい
●楽しみたい
●一番でありたい
●自慢したい
●人からホメられたい
●いい人と言われたい
●自信を持ちたい
●人気を得たい
などの要素を解決できれば、人はその商品やサービスに魅力を感じるでしょう。
・USPの作り方 その④ 【文章にしてみる】
ステップ①~③が揃ったら、次の文章が作れるはずです。
『私(の商品やサービス)は、〇〇〇〇〇のような人に〇〇〇〇〇でサポート(手助け)が出来ます!しかもそれは他の人よりも〇〇〇〇〇の面で優れています!』
この出来上がった文章のキーワードを抜き出し、言い換えたり、順番を考えたり、言い易さ、シンプルさなどを考えて作り直すと、それがアナタのUSPの原型となります。
優秀なUSPの使用例
では、優秀なUSPを例にとって、解説していきましょう。
『お掃除ロボット・ルンバ』
この商品は普通の掃除機ではありません。自分で掃除をしてくれるのですからそこが決定的に他の掃除機とは違います。順番にUSPの作成ステップに沿ってチェックしていきましょう。
この商品のターゲットは「掃除をする時間がないほど忙しい人」「掃除をするのが面倒くさいと思っている人」です。
その人に向けて「ロボット」というフレーズでベネフィットを提供しています。
つまり「勝手にやってくれる」「自分は何もしなくていい」というベネフィットです。
吸引力や、消費電力、大きさや、デザインなどは一切訴求していません。
ターゲットの「お得」を絞っているのですね。
そして独自性は、「掃除機」ではなくて「掃除ロボット」というポイントです。
どの家にも「掃除する電化製品」はあっても「掃除するロボット」はありませんから。
この商品のUSPを文章にするとおそらくこうなるでしょう。
『私の商品(掃除機)は、掃除をする時間がないほど忙しい人や、掃除が苦手、掃除が面倒くさいと思っている人に、勝手に掃除をしてくれて、アナタは何もしなくていいという環境でサポートします。しかも他の掃除機よりも価格やデザイン性で優れています』
この文章を絞りに絞ると「お掃除ロボット・ルンバ」となります。見事なUSPですね。
まとめ
いかがでしたか?USPは決して難しくありません。アナタがいつも心掛けていること、お客様の立場になって一生懸命仕事をしていることをコトバにするだけです。
もしUSPを作っていないのなら、それは凄く勿体無いことです。是非アナタのUSPを作って、アナタのUSPを使って、アナタの商品やサービスの素晴らしさを、多くの人に伝えていきましょう。
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