シナジー効果とは?意味や種類・使い方|事例を使って徹底解説

シナジー効果とは?

意味や事例を理解してビジネスに利用しよう

シナジー効果とは

ビジネスの場だけでなく、テレビでもM&Aや企業連携を発表するニュースの中で「シナジー効果」という言葉を聞いたことがある人は多いと思います。

このシナジー効果とは、複数の要素を結びつけたり、連携したりさせたときに得られる相乗効果のことです。ビジネスでは、経営資源の有効活用やそれぞれが持つ事業の連携により、強みをさらに補強して弱みを補うときに使われます。このような状態にできれば、売上や利益が単なる足し算とならず、それ以上の成果が手に入ります。

シナジー効果の由来が気になる方もおられるでしょう。元来、シナジーは生理学や薬学などで用いる専門用語です。その用語をビジネスの場に広めたのは、経営戦略の父として有名なイゴール・アンゾフです。彼の著書の中でシナジー効果の概念が紹介され、だんだんと知られるようになりました。

なお、シナジー効果は、会社間や部門間といった組織単位の連携で主に使わられますが、人に対しても用いることがあります。例えば、演技力のある俳優と個性的な脚本家が組み合わされば、面白い映画が期待できるケースです。

シナジー効果で期待されるメリット

シナジー効果で期待されるメリットは様々なものがありますが、大きく分けると事業シナジーと財務シナジーの2つが挙げられます。ここでは、それぞれに関して詳しく説明しましょう。

事業シナジー

事業シナジーは、複数の事業が結びついたときに目に見えて現れる効果のことを言います。このシナジーは五つに分類されますので、一つずつ、見ていきましょう。

一つ目は、売上の増加です。これは、複数の事業が結びついて規模が大きくなれば、それぞれの売上の合計額以上の売上が増えることです。また、それぞれの持っている顧客層や販売チャネルが異なるケースでは、今までアクセスできていなかった顧客に売り込む機会の増加が期待できます。

例としては、今まで関東しか拠点を持っていない企業が関西を拠点としている企業と連携した場合が挙げられるでしょう。この場合、それぞれの企業が営業拠点を持っていなかった地域でも、新しい顧客に売り込みができるようになり売上アップが見込めます。

二つ目はコストダウン効果で、M&Aや企業連携でよく見られる効果です。具体的には、経理部門などの本社機能を統廃合することや営業拠点を見直しすること、規模を活かした一括仕入れなどでコストを減らすことが挙げられます。

一例をあげると、物流費の削減があります。最近では、ビールの大手が北海道内の物流を一緒に運行するニュースが大きな話題になりました。このように同じ配達ルートを使う場合、業種を問わず共同で運行すればコスト削減ができます。

三つ目はスケールメリットです。規模の経済や規模の優位性とも呼ばれます。これは、規模が大きくなれば、経営が効率化されたり、競合他社に対して優位に立てたりするメリットが発生します。

四つ目は人材獲得といい、技術やノウハウを持った優秀な人材を得ることです。新しく事業を立ち上げるときは、この人材獲得は大きなメリットとなります。つまり、すでにその技術やノウハウを持った人材がいる企業と連携すれば、一から自社で人材を育てる場合と比べて、時間やコストを掛けずにすむためです。

五つ目はノウハウ統合及び共有化です。知的財産やノウハウが組み合わせで付加価値が高まることを言います。

財務シナジー

もう一つのメリットの財務シナジーは、事業連携により得られる財務面でのシナジー効果のことです。特にM&Aでその効果が大きくみられ、余剰資金の活用と節税効果の2つに分けられます。

余剰資金の活用は、余るほどお金を持っている企業とお金を持っていないが有望な事業を持つ企業が統合したときに表れるメリットのことです。このような統合により、余っている資金を有望な事業を持つ会社に振り分けられ、急成長につなげられます。

節税効果は、繰越欠損金による控除や債務を受け継ぐことで、各々が独立して事業を行った場合よりも、支払う税金が安くなることです。これは、買収先に繰越欠損金がある場合、その欠損金を自社に振り替えすると利益額を少なくでき、利益額に応じて支払う法人税の課税額を減らせます。

シナジー効果を生み出す4つの方法

企業でシナジー効果を獲得する方法の中で、ここでは代表的な4つの方法を紹介しましょう。

M&A

MAは、いわゆる買収による企業合併です。これは特にシナジー効果が期待される手法と言えます。M&Aを行う目的がケースによって異なるために一概にいえませんが、スケールメリットや売上の向上、余剰資金の活用のメリットを期待して行うケースが多いです。近年では、日本電産やソフトバンクが積極的に実施しています。

グループ一体経営

これは多くの企業を抱えたグループにおいて、共通する業務や事業を一元化して無駄を省くことでコストダウンするときに使われます。グループ一体経営は、共通の顧客を持つ金融系でよく実施されており、先に挙げたメリットで言うと、まさにコストダウン効果を期待しています。

多角化戦略

会社をさらに成長させるために、今、行っている事業とは別に新しい事業を立ち上げることです。M&Aと組み合わせて参入したい市場に合わせて企業を買収するケースもあります。

事業の多角化によってリスク分散につながります。また、既存の顧客やブランドイメージをすでに持っているために、新商品の展開をしやすいことは大きな利点です。そのために既存事業を始めたときと比較し、市場開拓を容易に行いやすくなります。

一例を挙げると、ソニーが挙げられるでしょう。1990年代までは、エレクトロニクス事業が主力でしたが、自身のブランドイメージを活かして、金融事業に参入しました。2000年代以降、エレクトロニクス事業が苦しくなって赤字を出した際に金融事業で利益があったので、会社の業績を下支えできました。まさに多角化の成功例と言えるでしょう。

業務提携

それぞれの企業がヒト・モノ・カネを出し合う事業提携を行うことでも、シナジー効果の恩恵が手に入ります。特にヒト・モノ・カネの経営資源が乏しく、単独で事業を運営することが難しい企業にとっては大きなメリットとなります。

アナジー効果とは

アナジー効果は、シナジー効果と反対の意味で使われる言葉です。つまり、2つ以上のものが結びついた際に単純な足し算ではなく、それに満たない効果しか生まれない場合に使われます。つまり、ビジネスの場では、企業連携やM&Aに失敗したときです。

企業連携やM&Aを決めたときは、シナジー効果によるメリットに目がいってしまいがちです。しかし、当然、今まで異なる組織で仕事をしていたので、結びついたことによりデメリットである「アナジー効果」があります。そのデメリットに目を向けず、対策を打っておかないと失敗するので、注意しましょう。

アナジー効果の例として次のような事例が挙げられます。

一つ目は組織間の反目です。それぞれが培ってきた文化に違いや主導権争いで、連携したもの同士で協力するのではなく足を引っ張り合う行為が日常になった場合です。このことで、意思決定のスピードの低下やそもそも期待していた連携の効果自体がなくなるといった悪影響として出てくるでしょう。

二つ目はそもそもシナジー効果がなく、合併や連携で各々の強みを補い合おうとしたけれども、あまりにも強みが違いすぎて組み合わせられない場合です。例として、資金を持っている企業が経営多角化を目指し、見識がない分野でかつ伸び悩んでいる会社を買収したりするときが挙げられます。この場合、自身が持つ主要事業と買収した企業では、サプライチェーンやビジネスモデルに重複しないため、失敗に終わってしまう事例が多いです。

他にも、M&Aにより企業が合わさったことで企業文化が変わってしまうために影響が出る場合もあるでしょう。このような場合では、優秀な人材が去ることや連携により発生するコストが想定していたよりも大きくて負担になってしまうことなどが挙げられます。アナジー効果を出さないためにも、事前に綿密に調査し、連携後も適宜フォローをしていくことが大切です。

まとめ

ここまで、シナジー効果について、紹介してきました。シナジー効果は、ビジネスの現場、特に経営に関わる場所でよく使われる言葉です。経営者は、M&Aを決断する際は、ここで記載したシナジー効果が本当にあるのか、デメリットであるアナジー効果の影響は少ないのかしっかり見極めて判断しましょう。

また、シナジー効果は経営面に限らず、人同士の関係でも使うことができます。自身の仕事を進める中で、協力して仕事を進め、人数分以上の成果を上げられることを目指して行動しましょう。

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