CRM(顧客管理システム)とは?顧客を理解し関係を築くためのアプローチ

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CRMとは

■CRMとポイントカードの関係

CRM(Customer Relationship Management)とは、顧客管理システムのことです。
顧客の嗜好や購買履歴などの情報を収集し、ニーズを理解した上でそれに沿った商品やサービスを提案する手法です。

今回は、コンビニで買い物をするB子さんのケースに沿って説明します。

B子さんは40代の主婦。週に1度、3時のコーヒータイムにコンビニのスイーツを食べるのが、彼女のささやかな楽しみです。

今日は最近テレビで話題になったチーズケーキを食べたくなり、スーパーで買い物をすませたあと帰り道にあるコンビニへ立ち寄りました。

B子さんは、お目当てのチーズケーキを手に取るとレジに向かいます。

すると「ポイントカードはお持ちですか?」と笑顔で訊ねる女性店員。

「そう、そう。ポイントカードよね。えーっと、どこに入れたかしら。あ、あった、ありました!はい、これ。」

 

B子さんが財布からポイントカードを出すと、店員がこれを読み取り機に通し、会計してくれます。

それにしても、ポイントカードって便利よねー飲食店やレンタルビデオでも使えるし。と内心思いながらコンビニを出ます。

B子さんが提示したポイントカードが読み取られたことで、登録した個人情報とチーズケーキの購買履歴が結びついてデータベースに登録されます。

 

こうして収集された膨大な顧客情報を分析して、メルマガで関連商品の案内を送ったり、ひとりひとりの嗜好に沿った情報提供をすることができるのです。

■CRM登場の背景

CRMでは、顧客との持続的な関係性に重きをおいたアプローチを行います。

その歴史を振り返ると、1990年代後半から爆発的な勢いで普及したインターネット、その中で生まれたネット通販との関係性が強いと言われています。

顧客の注文履歴から作成した名前、住所、電話番号などの顧客データベースをシステムに取り込み、様々な分析を試みるようになりました。

また、レジで会計時に商品を読み取ると商品名や金額、そして配送や発注情報がコンピューターに登録されるPOSシステムとも連携し、さらなる成長を遂げます。

日進月歩で進化するIT技術を取り込みながら、企業は顧客の購買履歴を追跡し、いままでの店舗では入手できなかった顧客の属性や行動パターンまで幅広いデータを把握できるようになったのです。

■顧客を理解し行動パターンを発見する

CRMの考え方のベースとなるのが、顧客を理解するということです

従来のマーケティングでは、男女別、年齢別、居住エリア別といった大きなカテゴリーで顧客を分類してきました。

しかしながら、消費者の嗜好や購買行動が多様化した現在では、もっと精密に消費者行動をリサーチして分析し、個々の顧客に応じたマーケティングを行う必要性が出てきたのです。

顧客情報の入手経路には、先ほどのポイントカード以外にも営業担当者、店舗、郵便、電話、インターネットなどがあります。

こうして獲得した情報を、データマイニング(大量の情報からパターンや関係性を取り出す技術)により顧客の行動パターンを発見します。

顧客の行動は常に変化します。ですからデータマイニングは一度きりではなく、適宜に分析し検証し続ける必要があります。

■顧客価値とは

CRMをとらえる上で大事な概念が「顧客価値」です。
顧客価値とは、商品やサービスに対して顧客が適正と認める価値のことです。

これを明確にすることで、CRMを戦略的に活用することにつながります。
顧客価値を測定する代表的な手法のひとつに、LTV(顧客生涯価値)があります。

LTVは、顧客が生涯に渡って企業にもたらす利益のことです。
これは顧客との長期的な関係性の重要性を示してくれます。
こうした指標を使って顧客価値を分析することで、企業はCRMを使った戦略が顧客満足度の向上につながっているかどうかを測定することができるのです。

■顧客シェアという考え方

営業を経験された方なら、シェアという言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか。

一般的にシェアというと市場シェアを指します。これに対して「顧客シェア」という考え方があります。

これは、一人の顧客にどれくらい自社製品が選ばれているかを表します。高ければ高いほど、自社製品のファンということになります。

市場シェアに注目しすぎて顧客シェアの分析をおろそかにすると、効率的な経営はできません。なぜならば、顧客シェアが高い「儲かる顧客」に対して、広告宣伝費などの資金を効果的に投下することができないからです。

■儲かる顧客と儲からない顧客

先ほどの顧客シェアを分析することで、儲かる顧客と儲からない顧客に識別できます。

CRMを成功させるには、いかに儲かる顧客を囲い込んで収益の安定化を図るか?どうすれば取り込む仕組み作りができるか?がポイントになります。

儲かる顧客は、企業にとってどのような効果をもたらすのでしょうか?多くの商品やサービスを購入してくれる、あるいは口コミで他の上客を連れてきてくれる、といった直接的な利益を与えてくれます。

ほかにも、継続的に商品やサービスを購入してくれることで、顧客データが蓄積され、それをさらに活用できる、といった間接的な利益を得ることも可能です。

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無印良品の事例

■スマートフォンアプリMUJI passportの開発

それでは次に、CRMへの理解を深めるために無印良品の事例についてみていきましょう。

無印良品は、株式会社良品計画が展開する家具、衣料品、雑貨、食品などのブランドです。2013年からスマートフォンアプリ「MUJI passport」を開発・導入し、無印良品のファンとのつながりを深めるための様々なアプローチを行ってきました。

プラスチック製のポイントカードではなく、会計時にスマホのアプリのバーコードをスキャンします。これによりマイルが貯まり、ある程度貯めることで有効期限付きのポイントに交換できるという仕組みです。

■顧客との対話

カードではなく、アプリを開発した理由のひとつに「顧客との対話」があります。

顧客のデータを収集するだけであれば、カードでもこと足ります。そして顧客の特性や嗜好に応じてメールで案内を送ります。

これに対してアプリは、プッシュ機能(アプリから表示や音でお知らせを通知する機能)を使った提案ができるため、通知に対して顧客がどう反応したかがわかります。
つまり、アプリを通して顧客との対話が可能になったのです。

■コスト面からみたアプリのメリット

プラスチックカードは、発行部数に応じて費用がかかります。
これに対して、アプリには開発、アップデート、運用などの費用はかかりますが、カードよりも圧倒的にコストパフォーマンスが高いのです。

また顧客側から見ると、財布のポケットにどのカードを入れるか?という選別がはいります。
これに対して、財布よりも身近に携帯するスマホに入り込むことで、常に顧客のそばに寄り添うことが可能となるのです。

■チェックイン機能の活用

CRMでの購買データは通常レジで収集されます。

これに対してMUJI passportは、顧客が店舗に近付いた時に位置情報サービスを利用してマイルの付与と引き換えにデータを獲得することができます。これがチェックイン機能です。

まだ商品を購入していないのに、データを収集する意味はどこにあるのでしょうか?
ひとつは、顧客が自らチェックインという行動をとることで、購入時以外の接点を持つことができます。

また、時間帯や曜日を分析することで、顧客の行動ルートと店舗の関係や、チェックインしてから購入に至るまでの時間といった情報を得ることになります。
なによりも、購入時以外にも顧客とつながるということが大きな意味を持ちます。

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まとめ

ポイントカードやアプリを使った単なるデータ収集にとどまらず、顧客との持続的な関係性をマネジメントするのがCRMです。
一人ひとりの顧客ニーズに応えながら、顧客価値を向上させ、より多くのファンを獲得するために、今後もCRMは進化し続けるでしょう。

 

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